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『インファンタリア』

このページにはこのエロゲーに関するネタバレがあります。
未プレイものは読まないようにしましょう。

 

 

2002.7.26
ヤフオクで暴騰気味の「インファンタリア」初回版のソフィアシナリオ終了。
イベントが有機的に絡まることがなくて、かなり退屈だった。
日常の会話は、マイシェラ(どうでもいいが、エルリックに同名のヒロインが出てくるのでいくらか
違和感がないこともない)とのかけ合いがそこそこ楽しい。
悪い意味でのお伽噺シナリオから抜け出ていない。
葉鍵系から学んだのか、終盤になってから加速する展開はそれはそれで判らないでもない。
TRPGのセッションでも、最後の戦闘が面白ければ許されるところもあるし(w
もうちょっと伏線を張っていてほしいところではあるが。

それから、世界観がリアルリアリティありすぎ。
どうみてもルネサンス以前のテックレベルなのに、なぜにレストランとか、ホットドッグとか、
ハンバーガーが出てくるのだろうか。西洋はどうだか知らないが、日本でも江戸時代後半になって
からしか客にものを食べさせる店は出来なかったという話なのだが。
町中に噴水があるのも謎。舞台の幼稚園そのものも謎。
子供をどこかに預けられる程度の家庭なら、そもそも乳母を雇うだろうに。
中世の貧富の差はものすごいのだが。
そしてまあ、これだけツッコミ甲斐のある世界というのは、そもそもこんなことを
気にしていてはいけないわけなんだけど。

最後にもうひとつだけ。
主人公はクラウス様にボウガンを持って挑むべき。
腕の差が最初からあるものと判っているのなら、絶対に勝てるようにしておかなければ。
あんなに迂闊で、他のシナリオは大丈夫なんだろうか?(w 

2002.8.23
マイシェラシナリオの稚拙さはどう表現すればいいんだろうか。
マイがドラゴンを操る一族の血を引いているというのはいいアイデアだったと思う。
ありきたりだけど、これからのドラマを予感させるのには悪くない。
名前を忘れてしまったあの剣士にさらわれるのも展開としては判る。
あっさり竜王が復活するのもいい。
だけど、悪役をそこで剣士から竜王に代えてしまうのは、よくない。
突然の交代劇にプレイヤーはそこで目標を見失って混乱してしまう。
「守るべきものがあれば強くなれる」というのは、”目標を持てば集中力が増す”ということと同じだ。
目標が目の前からいなくなったプレイヤーは、主人公とは正反対に”弱くなってしまう”。
そこにマイの身体に竜王が取り憑くと、外見の幼さと声の萌え具合も手伝って失笑するしかない。

前回の更新で書いた次の一文に掲示板でレスがあった。
>葉鍵系から学んだのか、終盤になってから加速する展開はそれはそれで判らないでもない。

決して葉鍵系から学んだわけではないとということで、
実際にメインヒロイン三人をクリアしたいまとなってはまったく共感できる。
何も学び取らなかったというのが正解だろう。

最後に残ったレマシナリオに私はほとんど興味を失っていた。
だけど、クリアしてちょっとだけ見直した。
ここには水夏にあった面白さが潜んでいる。
レマと、なんとかいう忘れてしまった竜王。
この兄妹の物語。
主人公への放置プレイぶりも却ってすがすがしいぐらいだ。

だけど、良い話であるだけ、失敗点も目に付く。
竜は人間に姿になっただけで、簡単にヒューマニズムに屈するだろうか?
何かに感情移入するためにはそれについての想像力を持っていなければならない。
日本人が”アフリカの子供”に同情しないのは彼ら/彼女らについて何も知らないからだ。
それと同じように、竜は人間に感情移入できない。
想像力は物語によって育成される。竜王は人間の物語など知らない。
この問題を回避するには、竜の文化について考えなければならなかった。
竜がどんな歴史を持っており、どんな神話を持っていて、どんな暮らしをしていて、
どんな社会構造を持っているのはシナリオライターは考えなければならなかった。

まあ、こういう散見される欠点を考慮しても、レマシナリオはよかった。
というか、インファンタリアにおける唯一の美点だろう。
萌えゲーという点でいうなら、ゲーム全体で一番の萌えキャラマイシェラへの萌え技術の投入はまだ少なく、
「はっぴ〜ぶり〜でぃんぐ」と比較してもまだ足りない部分がある。
ソフィアは萌えキャラにしてはストレートすぎるのであって、王女という萌え要素にしてもほとんど活かせていない。
私だったら、弱気すぎるお姫様を演出し、それが園児や主人公との繋がりで葛藤し、次第に成長していくように書くだろう。
レマが萌えキャラとして弱いのは、思いの丈が竜王に向かっているからだ。
この思いの強さが主人公に向かっているのなら、もっと強い萌えを演出できただろう。
シナリオとの絡みでちょっと無理っぽいが。

インファンタリアの最後の印象としては、シナリオライターの真剣さの不足だった。
人間存在についての考察がまったくたりない。
それは水夏でも同じで、ほとんど成長していない。
「D.C. ダ・カーポ」を実は購入してあるのだが、後回しにするのは仕方ないだろう。

2002.8.26
インファンタリアのレビュー記事を読んで廻ったけど、どこも評価がいい方向にある。
ソフィアシナリオのイマイチ度合いはよくわかって貰ってる。
マイシェラシナリオは正しく評価されていないと思う。
レマシナリオが良いとされているのをみて、ちょっとだけ安心してみたり。

しかし、インファンタリアの世界観の珍妙さについての言及がまったく足りない。
いくつかないわけではないんだけど……。

不当に好評価されている印象。


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