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とらいあんぐるハートDVD

このページにはこのエロゲーに関するネタバレがあります。
未プレイものは読まないようにしましょう。

 

 



2003.1.28
綺堂さくらシナリオクリア。
彼女は実は吸血鬼ハーフにして、ワーウルフクォーターというわけわからん設定だった、
というのがシナリオの骨子。そこに”一族”のものが現れ、ちょびっと恋の邪魔をして
しまう、というのが基本ストーリー。
これほどあらすじに意味のないシナリオは珍しい。
キャラには萌えるがシナリオはひたすら陳腐。
説明不要の駄目っぷりにあきれ果てつつも、これがとらハに対してあまり意味のある批判で
ないのもわかってるつもりだ。

2003.1.29
春原七瀬シナリオクリア。
惚れた女の子は実は幽霊で、霊能力者の手助けで成仏させるも、
転生してきて、10年後に幼稚園児として再会してしまう、というのがあらすじ。

とりあえずシナリオのありきたりぶりについては放置しておいて、転生と前世について少し。
前世というのを思い出したとしても、生きているのは今現在の人格であって、
前世の人格も所詮は経験の一部でしかないわけで、そこに囚われるのはどうかと思うのだ。
とはいえ、前世の現れ方によって様々な人格パターンが形成され、
一概に前世に囚われているだけとは限らない。

転生してきた古い人格が思い出されると、アイデンティティをどこに求めるか、
という問題でどちらが主導権を握るのかという勝負が行われる。
この勝負は次のようなパターンに分けられるだろう。
つまり、
1.二つの人格が融合し、
 a 新しい人格が主導権を握る
 b 古い人格が主導権を握る
 c 完全に融合してしまう。
 d 特定の条件で主導権が入れ替わる
2.二つの人格は別れたまま一つの肉体の中で共存し、
 a 新しい人格が主導権を握り、
   a 古い人格は消失する
   b 古い人格は残る
 b 古い人格が主導権を握り、
   a 新しい人格は消失する
   b 新しい人格は残る
 c 二つの人格がそれぞれほぼ同じ主導権を持つ
 d 特定の条件で人格が入れ替わり、
   a 主導権を失った人格はその間眠っている
   b 主導権を失った人格はその間起きている

七瀬シナリオにおいては1-b「二つの人格が融合し、古い人格が主導権を握る」のパターンを踏襲しているようだ。
この場合は、今の人格が幼く(幼稚園児)自分というものを確立する以前に前世が覚醒してしまった結果であろう。
二つの人格のアイデンティティを巡る闘争は一瞬で終わる場合から、死ぬまで続く場合もある。
おそらく一瞬で終わったと思われる七瀬の場合は幸福なケースだと言える。
ただし、この結果には疑問も生じる。
彼女は一度は成仏しているため、転生後に人格が残るとは思えない。
魂の転生についてはそういう世界観だと認めるにせよ、人格の転生は物語的倫理としてもどうかと思うのだが。
七瀬シナリオの主題は彼女の消失に関わる主人公の苦悩だろう。
様々な葛藤の結果として七瀬を成仏させることに至ったわけで、
転生させるというシナリオライターの選択はその苦悩があまりに軽く扱われてはいないか。
苦悩の報酬として未来の希望を買ったという説明もできるだろうが、
未来をそんなにバーゲンセールしていいものだろうか。
タロットの「The Star」は希望を意味するが、またそれが遠いことも示唆している。
未来をほんの一滴。
それだけで主人公は十分に報われたのに。

さらにもう少し。
人間の本質が魂にあるとは私は思っていない。
魂、精神、肉体、環境の総体こそが個人を個人として確定させる。
だから、魂の転生によって人格の転移が行われるとは考えられない。

ところで七瀬シナリオのポイントは綺堂さくらと小鳥の献身っぷりにあると思うのだがどうか。
……というわけで、次は小鳥シナリオに行くのだ。

2003.1.30
小鳥シナリオクリア。
幼なじみと恋愛してしまうという、ただそれだけの話で、
告白の葛藤とか、幼なじみなる関係性からの脱却に対する悩みなんてほとんど描けていない。
もう何がテーマなのか、プロットはどこにいったのか、意味不明のシナリオ。
幼なじみ、ロリ体型、料理上手みたいな萌え属性の扱い方がなんというか、古い印象が残る。
水月における萌え技術を参照できたらもっと萌えるテキストになったろうに。
1998年発売のゲームに言ってみても仕方ないことなんだが。

御剣いずみクリア。
男勝りな彼女が出来ました、というそれだけのお話。
いずみの成長に対する葛藤が一応のメインテーマらしい。
忍者になるという夢を諦め、その諦めの解放がユンファを救うことによって得られるわけだが、
いずみとユンファの二人の友情がきちんと描けていないため、後半の展開には説得力がまったくない。
当て馬扱いされたユンファが少しかわいそうに思えないこともない。
あと、暗殺者の洗脳はもっと完璧に行われるはずなので、ユンファが改心することはまったくあり得ない。
まあ、それはとらハ的世界観だと認めてもいい。

”相川”から”真一郎さま”と三人称の変化はうまい萌えテクニックだと思う。
態度の変化による萌えは「ONE」の七瀬シナリオでも描かれていたが、
関係性の変化を直接的態度で知らしめるのは判りやすくていいかもしれない。
あまり頻繁に使われると食傷するだろうが。
逆アナルなエッチは、葉鍵板の逆アナルスレ住人として嬉しかったり。

ところで、全体的に中出し好きだね、このシナリオライター。

2003.1.31
千堂瞳クリア。
ごめんなさい。
私は炉理属性でした。
これから唯子シナリオへと旅立ちますが、まったく期待してません。

2003.2.1
唯子クリア。
萌えない。

ユンファクリア。
萌えない。

さて、これでコンプリートしたわけだが。
シナリオで物語という意味で一番出来がいいのはおそらく御剣いずみルートだろう。
挫折からの逃避と、その回復が描いてある。
萌えは属性によって印象が変わるために評価するのは難しい。
さくら、小鳥、瞳、唯子、いずみに投入された萌え技術はほとんど同じレベルだしなあ。
発売当時にプレイすればもっと萌えられただろうに。

全体を通して最萌えキャラは綺堂さくら。
当初、小鳥を攻略しようとしていたが、突然現れた”無表情無口系”に撃墜されたり。

2003.2.13
とらいあんぐるハートは基本的なラインとして肯定される快感を描いたのだろう。
快楽主義的と言っていいが、それは明確な堕落を意味しない。
快楽主義と言って思い起こされるのはやはり澁澤達彦なわけで、
しかしとらハにはアンドロギュノスもオブジェ的天使も少女愛好癖も自己愛から生まれる人形愛もそこにない。
ジョルジュ・バタイユが引用されることもないし、博物学をひけらかすこともない。
ただ、シナリオライターの高いモラルによって安心して耽溺することのできる快感である。
幸福に擬装された快感がそこにある。
モラルによって生み出された快楽は、複数のエンディングに見られるような、たとえば結婚や出産といった前時代的な
幸福感によって裏打ちされ、より巧妙な擬装を施されて益々堅固になる。
全体として主人公とヒロインの二人の閉鎖世界を描こうとはしないが、結果はそうだ。

……。
混乱しつつ、とらいあんぐるハート2へ。




 

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