『とらいあんぐるハート2DVD』
このページにはこのエロゲーに関するネタバレがあります。
未プレイものは読まないようにしましょう。
2003.4.3
この感想を書いている時点ですでに3まで攻略済み。
結論から言えば、シリーズの最高傑作がこのとらハ2だ。
1のおおざっぱなシナリオ構成に比べ優れた展開を持ち、3のワンパターンとドラマ性の欠如を補うだけの
物語を獲得している。ただし、個人的には優等生的な作りが気に入らなかった。
(ここまで言ってしまうと完全な言いがかりと指摘されても仕方ないが)
ErogameScape−エロゲー批評空間−にすぐれたレビューがあったので引用しつつ、評価を定めていこう。
> 世界が女性的という印象を強く受けた。プレイしていると精神的に息が切れてくる。
> 拒否感が強くて萌えるどこではなかった。世界観が決定的に肌に合わないという感じ。
> 結局一人クリアして断念。
> 2002年09月13日05時06分08秒 bellypha
> 絶対的な性善説立場をギャルゲーの枠に当てはめ、究極の包容力を獲得した傑作。
> 2002年09月05日19時57分40秒 denki
http://www.yi-web.ne.jp/~ap2/ero/toukei_kaiseki/game.php?game=491
とらハ2の気持ち悪さはこのように示されている。
”世界が女性的”であり、”絶対的な性善説立場”を取る。
結論こそ違うものの、この二つのレビューは同じことを述べているのだ。
では、なぜこうも結論に違いがあるのか。
それは、完全な現実逃避に対する感受性の性質の違いであろう。
現実逃避とは甘美なものであるがゆえにそこに耽溺してしまう魅力を持っている。
魅力は様々なベクトルの集合体であり、その中からどんなものを引き出すかは個人間に差がある。
否定的意見を述べたbellypha氏は、とらハ2に窒息感を持った。
肯定的意見を述べたdenki氏は、これを高く評価した。
どちらも正しい意見だ。
ただ、トラハ2の世界は本当に女性的であると言えるのか。
限定的にはそうであると言えよう。
絶対ハッピーエンド主義は作中で語られており、悲劇を寄せ付けず、キャラクターたちの幸福を
ひたすらに追求した展開は、子供を見つめる母親の視点と言える。
自分の創造物に対する絶対的な保護欲とは母性に他ならず、トラハ2は確かに女性的だ。
母性はしかし単なる甘やかしではない。
ユングが母親の影の中から見つけたのは、自分自身を覆い尽くそうとする巨大な闇の巨人だった。
トラハ2においても、リスティルートや、薫ルートにおいて現れる闇はそれの別の形であるように思う。
しかし……。
(たぶん続く)